描くことから支えることへ ― 自分ができる最善を
ライクグループの事業 保育・人材・介護
「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」
ゆりかごからハッピーエンディングまで、
人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指しています。
そんなライクグループで働く社員たちを紹介する【ショートストーリー】のコーナーです。

絵を描くことが好きだった三苫さんが選んだのは、ご入居者様の暮らしを支える介護の仕事でした。壮大な目標を掲げるのではなく、日々の当たり前に誠実に向き合い、その時その場で最善を尽くす。同じ施設で経験を重ねながら、自分らしい介護を続けてきた歩みと、その想いに迫ります。
描くことから支えることへ、その想いが導いた選択

三苫さんが学生時代に学んでいたのは、介護とはまったく異なる「デザイン」の世界でした。専門学校では、絵を描くことに打ち込み、作品づくりに向き合う日々を過ごしていました。
現在も、友人の誕生日にイラストを描いてプレゼントするなど、描くことは三苫さんの日常に自然と溶け込んでいます。そんな三苫さんが介護の仕事を志した背景には、「人の役に立ちたい」「誰かに貢献したい」という、シンプルでまっすぐな想いがありました。
引っ込み思案で、決して話し上手な性格ではないと自身では語りますが、「自分にできることは何か」を考えたとき、頭に浮かんだのが介護の仕事だったといいます。人と深く関わり、日々の暮らしを支える仕事に、自分の居場所を見出していきました。
学校卒業後に介護について学び、2019年に介護士として入社。配属先は、現在も勤務を続ける「サンライズ・ヴィラ藤が丘」でした。
以来、同じ施設でご入居者様一人ひとりと向き合いながら経験を重ね、今年の4月で8年目を迎えます。積み重ねてきた日々の中で、三苫さんは施設に欠かせない存在として、確実に歩みを続けています。
日々の自分を整えながら、大切にしていること

介護の仕事には、夜勤や不規則な生活リズムが付きものです。三苫さんはそうした働き方について「意外と大変ではなかった」と振り返りますが、その言葉の裏には、日々意識して続けている工夫があります。
体力面で何よりも大切にしているのは、とにかく睡眠をしっかりとること。「睡眠不足だと、どうしても気持ちに余裕がなくなってしまう。そうなると、人に優しくなれない気がするんです」と、三苫さんは素直に語ります。自分の状態を整えることが、結果的にご入居者様への向き合い方にもつながると考えています。
精神面では、本やSNSで前向きになれる言葉に触れることを習慣にしています。仕事で思うようにいかなかった日や、ミスをして落ち込んだときも、そうした言葉に出会うことで気持ちを切り替え、また前を向くことができるといいます。こうした小さな工夫を続けていくことが、日々の支えになっています。
また、介護の仕事では避けて通ることのできない「お別れ」もあります。年に数回、ご入居者様との別れを経験しますが、決して慣れることはなく、そのたびに心が揺れるといいます。
それでも三苫さんは、「その時その時で向き合い、受け止めることが大切だと思っています」と語ります。一つひとつの出会いと別れに丁寧に向き合う姿勢が、三苫さんの介護観を形作っているのです。
何気ない一言に、込められたぬくもり

これまでの仕事の中で、忘れられない言葉を尋ねると、三苫さんは少し考えてから、こう答えてくれました。
「退勤するときに、ご入居者様から『今度いつ来るの?』と声をかけてもらったことです」
何気ない一言ですが、その中には「また会いたい」「次も楽しみにしている」という思いが込められているように感じたといいます。必要とされていること、心に残る存在でいられたことを実感できた瞬間が、何より嬉しかったそうです。その言葉は今でも心に残り、仕事を続ける原動力の一つになっています。
職場については、「個性的な従業員が多く、仕事以外の話もしやすい雰囲気」と語ります。
外国籍の従業員も在籍しており、年齢やバックグラウンドはさまざま。それぞれの違いを受け入れながら、チームとして自然に支え合える関係が築かれています。
困ったときに声をかけやすい環境があることも、日々の安心につながっています。そして、ご入居者様がふとした瞬間に見せてくれる笑顔や、穏やかな表情に出会えたとき、それが、この仕事をしていて一番「楽しい」と感じる瞬間です。
小さなやり取りの積み重ねが、介護の仕事のやりがいへとつながっています。
その時その場で、最善を尽くす
今後、どんな介護士でありたいか。そう問いかけると、三苫さんは少し考え込み、言葉を選ぶようにして、最後にこう語ってくれました。 「今まで通り、変わらず、その時その場で最善を尽くせる介護士でいたいです」
高い理想や目標を無理に気負って掲げるのではなく、目の前のご入居者様一人ひとりと丁寧に向き合い、その瞬間にできる最良の関わりを大切にしていく。三苫さんにとって介護とは、特別なことをする仕事ではなく、日々の当たり前を誠実に続けていくことなのかもしれません。
同じ施設で7年間働き続けてきた背景には、環境や肩書きよりも、「今ここで、自分にできることを尽くす」という姿勢があります。慌ただしく過ぎる日々の中でも、その考え方がぶれることはなく、日々の業務に向き合い続けてきました。
静かで穏やかな語り口の中ににじむのは、経験を重ねる中で培われてきた確かな覚悟と、強さです。派手さはなくとも、変わらずに続けていくこと。その積み重ねこそが、三苫さんの介護観を形作り、今もなお介護の仕事を続ける理由なのだと感じさせられました。
